B比重選鉱により金銀鉱石を濃縮する。
中核になるのは板取りと呼ばれる方法で、
汰板(ユリイタ)という木皿に泥粉状の鉱石を乗せ、
水の中でゆすると、
比重の重い泥砂が木皿に残る。
この作業を繰り返すと、
泥砂は、水筋(ミズスジ)と汰物(ユリモノ)に分けられる。
水筋とは自然金であり、
汰物とは硫化銀が主体で、
金を少し含む泥砂である。
流れ落ちた比重の軽い泥砂は、
上船と呼ばれる木箱にすべて集められ、
木綿布の上を水とともに流す。
これを「ねこ流し」という。
帯状の木綿布に付着した金銀鉱石を残らず回収する。
これらの工程は、
金銀分をもれなく回収するため繰り返し繰り返し行われた。
水車による粉成(コナシ)は、
寛永3年(1626)から始められていたが、
元禄10年(1697)には、
間切川(旧南沢川)の川沿いに設置され、
採算が合わずに捨てられていた低品位鉱の粉成用として見直され、
金山の衰微を救った。

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