自然
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太宰治が佐渡を訪れたときの紀行文に、船上から近づく佐渡のあまりの大きさに、満州に着いたのかとあわてふためく描写がある。確かに佐渡は、沖縄本島に次いで、日本で2番目に大きな島。車なら一時間足らずの距離を、ゆったりと船で渡れば、島ならではの豊かな自然にふれることができる。春、夏、秋、冬、いずれの表情も魅力いっぱいだ。
佐渡は、南北二列の山地とこれにはさまれた平野で構成され、外海府の豪壮な海岸美、小木半島の「澗」と呼ばれる独特の地形など、変化に富んだ自然が残されている。また、佐渡沖を流れる海流の影響で、冬の温度が新潟県の本土側より1〜2℃高く、夏は逆に1〜2℃低い。そのため、暖かい小佐渡ではビワやミカンなどの温帯食物が、また大佐渡ではアカマツやカシなどの寒帯植物が見られる。四季も変化に富み、咲き競う花々が豊かな表情をつくり出す。日本の風景の原型が鑑賞できるという佐渡。確かに、そんな佐渡の多様な自然の美しさは、訪れる人たちを飽きさせない。
佐渡百選
自然
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