ズダヤクシュ



喘息に偉効
ユキノシタ科
ズダヤクシュ属
花期 6〜8月

「日本産物誌」(1872)に
「山民の方言に、喘息を「ズダ」と称す、
此草喘息を治す偉効あるを以て、ズダ薬種の名ありと云」と記してある。
ズダは木曾地方の方言とされる。
夏の開花期に採り、水洗いして全草を煎じて飲むと咳に効くというが、
佐渡では民間薬として使われず喘息や咳止めにはカリン(アンラクという品種)や、
狢(タヌキ)の舌、ナンテンの実などを煎服する。
奥山の半陰、湿生地に多い。
葉は5つに浅く裂け、葉の両面、葉の柄、花茎とも短毛が密生する。
花茎は20aほどで頂上に白い小花が下向きに開く。
ズダヤクシュウの属の英名はフォーム・フラワー。
白い小花を泡にみたてた。
盛んにほふく枝を出しては繁殖する。
大佐渡妙見キャンプ場(900m)のヤマモミジ林の林下や緑に群生がみられる。
典型的な亜高山植物で、佐渡では大佐渡山地の600〜1000m
に主に分布するが、分布下限は金井町新保の330m。
小佐渡山地には分布せず、海洋に孤立した島における、亜高山植物の垂直分布の降下現象がみられる。

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