オオサクラソウ



高山の幻の花
サクラソウ科
サクラソウ属
花期 5〜6月

佐渡奉行所編の『佐渡志』(1816)に記される
ツツジ。
「北山にあり桃色花をつけるという、
草木の諸書にも記されてなく、天が生じさせた」と記される幻のツツジとされたのはムラサキヤシオのこと。
幻といっても現在は多くの人々がよく知っている。
佐渡の花のなかで幻の中の幻の花といえばオオサクラソウ。
「佐渡山草会」、「佐渡博物学会」の会員で花の好きな人々の多くは、この花をみたことはない。
それもそのはず、本州中部では白山から飯豊山までみられるが、それより北にはない亜高山帯の花。
県内分布も、県北では飯豊連峰(北股岳(2015b)・県内垂直分布の上限)、
県南では妙高山近くの焼き山(1900b)など分布はごく限られている。
大佐渡山地の東北部の尾根周辺相川町関越の山地(海抜770b県内垂直分布の下限)。
空中湿度の極めて高い天然スギ林のふちの半陰地に散生する。
全草大きく花も美しいが、ハクサンコザクラのように大群生しない。
「佐渡高山目録」(1987)には56種が記されているが、最も希産で、めったにしか遭遇しない高山の名花はオオサクラソウとアオノツガザクラである。

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