スミレ



心ひくつつましさ
スミレ科
スミレ属
花期 4〜5月

あざやかな紫、それでいて、うつむきがちなつつましい姿。
スミレは心ひく花。そのつつましさにある。「すみれほど小さき人にうまれたし」漱石。
この10aほどに満たない小さなスミレに人間はかなわないと漱石は思ったのである。
万葉集の花摘みの歌もよい。
「春の野にすみれ摘みにとこし吾れぞ野をなつかしみ一夜ねにける」
野がなつかしいので帰りかねて一晩寝てしまったという自然詩人の山部赤人の歌である。
さて日本はスミレ王国。基本種約50種類、変種をいれると80種となる。
佐渡も変種、品種をふくめてスミレは26品とされる。
これらすべてはスミレ科スミレ属に分類される。
この数あるスミレのなかの代表種が本種である。
花の形、色、姿などが典型的で、日当たりのよい低地丘陵地にタチツボスミレなどとともに最もポピュラーにみられる。
山に入れば雪国のスミレのオオタチツボスミレ、スミレサイシン、
ナガハシスミレなどが普通に見れるのが日本海側の雪国のスミレ類の特徴である。
またスミレはスミレ属全般の呼び名でもある。

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