ミヤマトウキ



婦人病に当帰
セリ科
シシウド属
花期 7〜8月

島の最高峰の金北山(1172b)の西南方向に北岳(1000b)、
二の岳(1060b)、妙見山(1042b)と峰々がつづく。
北岳と二の岳の鞍部に300b四方の広いザレ(砂礫の荒野)がある。
戸地川渓谷を吹き上った風が、この地にぶつかり吹きぬける。
このザレに群生し優占するのがミヤマトウキである。
群生するザレ場はプーンと強く匂う。
根はゴボウそっくりで太く、強烈に匂う。
「御山(金北山)詣りは早朝暗いうちに出発。
プーンとうす暗いなかで強く匂う。
トウキだ。
トウキは奥山、このザレ場にしかない。
帰りにトウキの根を掘って帰ることにしていた。
産前、産後の薬としてこれほどよいものはない」と海府の女たちは語る。
「佐渡国薬種二十四品」
(1735)のひとつ。

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