金北山の巫女岩
(金井町)


国仲方面から金北山に登ると、山頂近く大きな岩が見える。これを巫女岩とよんでいる。
むかし、ある年の山開きの日、おおぜいの登山者のなかにひとりの巫女がまじっていた。
同行の人は、この金北山は女人禁制で、女の人が登ると、山の霊の怒りにふれるからといって、思いとどまるようにすすめたが、かまわず登った。
すると、八合目まで来ると、一天かきくもり暴風雨となった。人びとは木の根や岩の間にかくれた。
そのうち、急に晴れあがった。
さきの人びとは、みんな集まったが、巫女の姿は見えなかった。
そして、今までなかった大きな岩が、前の方にあらわれていた。

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